一般財団法人 山本美香記念財団(Mika Yamamoto Memorial Foundation)

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2014年5月
第1回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」 決定

第1回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」に伊藤めぐみ氏
イラクでの日本人人質事件を扱ったドキュメンタリー映像作品が受賞

伊藤めぐみ氏

「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」の第1回授賞式が、5月26日、都内の「日本出版クラブ」にて開催され、ドキュメンタリー映画「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件・・・そして」の監督、伊藤めぐみさん(映像制作会社「ホームルーム」所属)が受賞した。作品は、イラクで発生した日本人人質事件をテーマにしたもの。 いま議論されている集団的自衛権の解釈変更。しかし、それはイラク戦争(2003年)を日本が支持し自衛隊を海外派遣したことや、自己責任論に晒された日本人がいたことを検証せずには、空虚でしかない。また、当時は国家や社会のみならず、各種メディアは人質となった日本人へのバッシングを連日報道。軍事介入の理由であった大量破壊兵器の存在が否定されたときも、政府の責任を強く追及することはなかった。

あれほど世論が過熱しながら、日本人は時間とともにイラクを忘れようとしている。だが、現地では今も戦争が残した惨禍が続いている。憎しみは宗派対立を増大させ、日々多くの人々が命を落とす。米軍兵器が原因と考えられる先天異常を持つ子供も少なくないという。 伊藤さんの作品は私たちに問う。「元人質」のその後を通して、日本人のあり方は正しかったのか、と。当時、高校生の伊藤さんが感じたイラク戦争支持やバッシングへの違和感。それを10年間抱き続け、世の中に問いかけたことに驚きと敬意を覚える。

[2014/8/28追記]
この度、第1回山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞作である映画「ファルージャ」がWorld Gate Film Festivalの長編ドキュメンタリー部門に入選しました。

第1回の受賞者および対象作品 伊藤めぐみ氏(ドキュメンタリー・ディレクター/映像制作会社「ホームルーム」所属)
「ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして」 (ドキュメンタリー映画)
選考委員総評

現在、集団的自衛権の問題が議論される中で、イラク戦争に対する検証の必要性が増している。本作品は、イラク戦争と日本の関わりを見つめ直すための重要な問いかけを持っている。米軍の攻撃以後、先天異常を持つ子どもの出生率が増加している事実を提示したニュース性も高く評価できる。

また、我々日本人自身の問題として11年前、自己責任が声高に叫ばれた人質事件のバッシングをどう受け止めるかについて、高校生の頃から持ち続けた問題意識を、ジャーナリズム作品として結実させた。

今後も、ジャーナリズム精神を持つ作品を発表し続けることを期待し、伊藤めぐみさんへの授賞を決定した。

授賞式 日時:2014年5月26日
場所:日本出版クラブ